皆さんは「テッド・バンディ」という男を知っていますか?

1970年代に、30人以上の若い女性を誘拐し強姦し殺害した「連続殺人犯」です。

アメリカでは連続殺人犯を「シリアルキラー」と呼びますが、その語源になった男です。

映画のタイトルは「テッド・バンディ」
内容は、暴力は語られず、元恋人「ベス」の視点で真実が描かれています。

見終わってエンドロールが流れるまで、”もしかして冤罪かも?”と思わせる展開。

その当時の「犯人なの?犯人ではないの?」という空気に引き戻させる演出!

ョー・バーリンジャー監督によって仕組まれた、不思議な感情のジェットコースターの本作。

ぜひお試しあれ。

映画「テッド・バンディ」とは

  • 2019年製作
  • アメリカ映画
  • 109分
  • 監督 ョー・バーリンジャー
  • テッド・バンディ役 ザック・エフロン
  • 恋人ベス役 リリー・コリンズ

1970年代に、女性30人以上を惨殺した連続殺人犯「テッド・バンディ」を、グレイティストショーマンのザック・エフロンが演じています。

この映画は、元恋人「ベス」の回顧録『The Phantom Prince: My Life with Ted Bundy』を原作としているため、実際の殺害シーンや強姦シーンは出てきません。

ベスは、美しいシングルマザー。

とあるバーで「テッド・バンディ」と出会い、恋に落ちます。

ベスには子供がいる為、重い恋愛を避けてすぐに振られると思っていたが、テッド・バンディはそんなベスを子供も含め受け入れます。そんなバンディにベスも本気になり、愛し合います。

そして、3人でどこにでもある幸せな家族の時間が流れます。

そんな中、テッド・バンディは殺人の容疑者として警察に捕まります

しかし「テッド・バンディ」は無罪を主張します。
それだけでなく、ベスにこの危機を乗り越えて結婚しよう、とプロポーズします。

「テッド・バンディ」は、ハンサムでカリスマ性があり雄弁。
そしてIQ160の天才です。

ベスは、様々な証拠や不自然な言動からテッド・バンディを疑いますが、3人で過ごした幸せな時間や、バンディからの電話や手紙で心が揺れます。

もしかして、本当に犯人ではないのでは?

愛しているから「テッド・バンディを信じたい」という心理も働いているのでしょう。

映画は、実際の映像も交え物語が進みます。

この当時の映像からも、「テッド・バンディ」が犯人なのか、違うのか?
世間の興味の高さがうかがえます。

そんな「テッド・バンディ」には、毎日のようにファンレターが届きます。

そして、その中の一人と獄中結婚をします。

この映画で語られているのは、全て実話。
本当にあった物語なんです。

正直なところ、人間の恐ろしさを改めて知った気分です。

ハンサムで人当たりが良く知的でユーモアがあり、カリスマ性すら感じさせる人。

「テッド・バンディ」はそんな人です。

個人的な映画の見どころは、劇中のシーンが本物の映像として残っており、最後に「テッド・バンディ」の実物が見れる点です。

”こんな事本当にあったのかな?これは演出だろ?”

いや、実際の映像で残ってる、本物だ!!
「テッド・バンディ」とは、30人以上の女性を襲い強姦し殺害した男です。

その事実を、我々は知っているのに混乱します。当時、テッド・バンディが無実を主張していた時、世間がどれほど混乱したか、想像できます。

ホントに恐ろしい。

「テッド・バンディ」とは

日本人にとって理解しやすいのは、きっと「酒鬼薔薇聖斗 」に影響を与えた世界で最も有名なシリアルキラー、という解釈だとおもいます。

日本ではあまり「連続殺人」という衝撃的な殺人はないように思いますが、日本ではじめに衝撃が走った「連続殺人」は少年Aこと酒鬼薔薇聖斗による犯行でしょう。

その酒鬼薔薇聖斗も「テッド・バンディ」に影響をうけていました。

普通の殺人と違う点は、殺人が目的だという事。

憎悪やトラブルがあり、結果殺人になったのとは質が違います。
彼は、人を殺したり首を切断する事で快感を覚えています。
あるいは、性的興奮を感じるために殺人を犯します。

犯行の多くは、ハンサムで人当たりの良い面を利用して女性を誘い出し、強姦して殺害しています。

さらにいくつかの事件では、その遺体を陵辱しています。
動物に食べられたり、腐敗してしまうまで、何度も現場に戻って陵辱したようです。

「テッド・バンディ」を調べて、少し不幸な生い立ちがあり、そこに何らかの原因を求める事は可能だと思います。

しかし、不幸な生い立ちの人が、全員シリアルキラーになるのか?というと、ならないです。
普通の人は殺人は犯しません。

彼らは、思春期の少年が性に目覚めるかのように、殺人に目覚めたようです。

だとしても、これもまた思春期の少年が全員強姦犯になるかといえばなりません。普通の人は我慢します。

彼は我慢出来なかっただけです。

しかも、無実だと言い張りました。

自分を弁護もしました。

他人に対する尊敬も配慮もなく、他人の痛みを理解せず、自分の欲求にのみ忠実で、無実を言い張る事で後悔や反省もない事がわかります。

「極めて邪悪、衝撃的に凶悪で卑劣」死刑判決を下したエドワード・コワート判事が法廷でバンディを評した言葉です。

これは、嫌悪や蔑みという単純な感情ではありません。

同じ判事が法廷で、「君の頭脳ならいい弁護士になれた」「法廷で活躍する姿を見たかった」と語りかけています。

実際にバンディと法廷で対峙し、その魅力を感じた事で、対面にある冷酷な側面により危険なものを感じたのではないでしょうか?

「テッド・バンディ」という男は、堂々とした男前で法律家で将来性もあり、雄弁でカリスマ性があります。

頭では拒絶しているのに、気付けば虜になっている。

実際の裁判では多くの女性ファンが詰めかけ、毎日のようにファンレターが届いていたと言います。

この映画は警告です。

あなたの近くにも似た人がいませんか?奥に潜む冷酷で残虐な顔をうまく隠し、その魅力で周囲を虜にする人です。

我々へのメッセージなんです。

悪魔は悪魔の顔をしていない

映画「テッド・バンディ」ぶち情報

この映画は実在の人物を扱った作品です。なので、結末がわかっています。

にも関わらず「テッド・バンディ沼」にはまってしまう危険性があります。

きっとあなたも知らず知らずのうちに、冤罪説を信じてしまうでしょう。

また、映画の終盤でリズを支える人の良さそうな男が登場します。小太りの中年です。

なんと、その彼はあの「シックスセンス」や「A.I.」で知られる天才子役、ハーレイ・ジョエル・オスメントの現在の姿!必見です!

そして映画の公開後、ジョー・バリンジャー監督は賛否両論の評価を受けます。否定派の多くは、暴力を描かなかった事で、テッド・バンディを美化している!というものでした。

この部分は説明しておく必要があります。

監督の意図は、後のインタビューで語られています。

邪悪な人物がいかに周りの人々を騙すことができるのかということをリアリスティックな形で1つのポートレートとして描いていることが僕の意図だったわけです。

引用 ジョー・バーリンジャー監督インタビュー

当たり前ですが、シリアルキラーを美化するわけありません。「永遠の0」が特攻美化だと非難されたのを思い出します。

さて、最後に「テッド・バンディ」が観れる動画配信サービスをお伝えします。

2021年6月現在

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